介護食作りのポイント

介護食作りのポイント

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喉機能の衰え



介護食においては、飲み込みがうまくできない患者さんには、誤嚥や窒息など命に関わるような事故に注意が必要です。

喉には空気と食物の通り道が交差していて食物を飲み込む時、喉は「ごくん」と動き食物が気管に入らないようにしています。

しかし喉を動かす筋肉が弱っていたり筋肉を動かすための神経がマヒしているような状態だと、この交通整理が上手にできないようになって気管から肺に食物が入り込んでしまいます。

口の中には雑菌が多く、それを含んだ食物が肺に入って行くと肺炎になってしまうこともあります。

また、声を出す声帯に誤って食物がはいると、激しく【むせ】てしまいます。

【むせる】という状態は、空気の通路に空気以外の物が入った時に、体の外に出すという反射で、食事中によくむせる様な人は食事内容に気をつけなければなりません。



誤嚥性肺炎の進行



食事の時によく【むせる】事に加え熱が出てくるような場合には肺炎が疑われます。

【むせる】時にはまだ防御的反射が健全な証拠なのですが、体が弱ってくると【むせる】ことさえなくなり、食事の後で元気がなくなったり、声がかすれるような症状が見られ、このような時には直ちに専門医に診てもらいましょう。

介護は家庭で対応できる場合とそうでない場合があり、同じ介護をしていても患者さんの状態は変化し続けますので、個々の対応が必要になってきます。



喜ばれる食事とは



介護の現場において食事の希望を聞いていると、昔好きだった物ばかりでなく、嫌いだった物も好きになるなどの変化があり、面会に来た家族が驚く場面もあります。

介護食においては「食べやすさ」が一番重要ですので、食の好みが変わることはあるのです。

たとえば「かゆゼリー」は人気のメニューですが、かゆゼリーを作る時に使う増粘剤も様々な物があり、使う増粘剤によって出来上がりも違ってきます。

見た目にツヤがあって、ツルンとしたのどごしのゼリーが良く、ざらつきや喉に貼り付くようなものはよくありません。

他には、美味しそうに盛り付ける事や食材の切り方、盛りつける器など食事の喜びにつながるような取組みが大切です。

高齢者はどうしても食が細く、いかにしっかり食べてもらえるかが大切なので、介護する方も食べてくれる人が「おいしい」と感じてくれれば介護にも前向きに取り組むことができ、よりよい介護につながってゆきます。



介護食のポイント



食事は好きな食物で、できれば家族と同じものを美味しく食べることが大切で、噛む力が弱っている場合には柔らかく調理することも必要になってきます。

ただし噛みごたえが無いと美味しさを感じられない食事もあるので、野菜や肉の繊維の方向や切り方などに工夫をしてみましょう。

食物は噛み砕くだけでなく唾液と混ぜることで飲みやすくなり、唾液の分泌は、甘みや酸味などの味のほかに噛んだ時の刺激によっても変化します。

飲み込みが上手くできないような人には、適度に粘り気があってバラバラにならないような献立にします。

味噌汁など液体と個体が混在しているような物は飲み込みにくく、ゼリーなどひとかたまりになる食材は飲み込みやすいと言われています。

介護食は誤嚥への注意と、食欲と栄養という多面的思考で取り組むことが必要なのです。
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03 介護食作りのポイント関連エントリー

01 介護食の悩み
介護の食事は要介護度や個人の病気によって千差万別です。
02 食事の重要性
介護において食事は脳を刺激して、運動機能や認知機能の維持やリハビリにも役立つことがわかっています。
04 市販品を賢く利用する
介護食のメニューを考える。介護食は市販品を上手に使って快適に介護をやってゆきましょう!
05 口の中を清潔に!
口の中を清潔にすることは介護においても大変重要なことです。食物の美味しさから病気まで口腔ケアは欠かせません。